top of page

 大阪府議会令和7年(2025年)11月定例会における、民主ネット大阪府議会議員団態度について

2025年12月17日


民主ネット大阪府議会議員団
 

代 表 山田けんた

幹事長 野々上 愛

 

大阪府議会令和7年(2025年)11月定例会における、

民主ネット大阪府議会議員団態度について

 

 

大阪府議会11月定例会が閉会した。大阪府議会は、人口当たり議員数が日本一少ないことを改革が進んでいる、としてきたが、少数会派の討論が行われないなど課題は大きい。

それぞれの議案の採決に際しては、本来であれば本会議での討論を通じて会派の態度を明らかにするところであるが、全国的に見ても極めて異例の、少数会派に討論を認めない大阪府議会の運営により、当会派は発言機会がない。よってここに声明を公表する。

 

 

【反対】令和6年度大阪府一般会計決算報告の件(12月10日採決分)

 

 北河内府民センターは、土木事務所や府税事務所等が入居する北河内地域における府の拠点施設である。令和6(2024)年度に、新たに建設された駅前ビルに移転された。私たちはこの移転条例や予算案に反対の態度を採ってきた。その理由は、① 府のファシリティマネジメント基本方針に定められている庁舎の更新時期を築70年以降とする方針に反して築50年に満たない施設の移転と極めて例外的であること、② 土木事務所は災害時の活動拠点であるにも関わらず、移転後はビルの6階に移転し、緊急出動が必要にも関わらず渋滞の可能性の高い駅前への移転となったこと、③ 利用者用駐車場が無くなる等自動車を利用する府民のアクセスが悪くなること等であった。

 本決算審査では、移転に要した費用が総額約40億円であることを確認し、旧北河内府民センターに固定資産として約14億円の減損を行ったことを確認した。しかし、一方で、この旧北河内府民センターを売却する場合には、「地元市のまちづくりへの協力のために先行移転するなどして、別途移転費用等が生じた場合は、その費用も考慮して対価を検討する必要があると考えている。」との見えない債権が有るかのような答弁があった。

 府は過去に府営住宅の三原台第一住宅跡地を建物付きの土地として、二度に渡り近畿大学に売却しているが、土地の価格約30億円に対して、約10億円で売却している。これは不動産鑑定上の「最有効使用の原則」に基づくものであり、建物の撤去費用を土地価格から控除した結果である。北河内府民センターの売却も、近畿大学への売却と同様に、撤去費用を土地価格から控除するべきであり、移転費用等の対価を上乗せするということは認められない。

 そもそも、大阪府及び大阪府議会は、2022年9月の枚方市役所庁舎移転条例の議決前の2021年3月に北河内府民センターの移転を決めているが、市議会ではこれが否決されていることからも、府の言う「地元市への協力」というのは、事前に協議があったといえども、あくまで府の責任と判断で先行して移転したものであり、移転費用を市が保証するものではない。

 さらに、府が移転方針を決めた時期については、2019年8月25日の国と市との協議会が確認できる。その直後の2019年10月26日府議会での財務部副理事答弁では、移転の方向性で調整することになった理由に、まちづくりへの協力の観点として、「駅に隣接するため府民の利便性向上」「駅前のにぎわい創出に寄与」「市役所分館の仮移転不要等⑤街区の早期整備可能」を挙げ、ファシリティマネジメントの観点として「府民センターの延べ床面積を縮減することによる維持経費の抑制」「仮移転費用等の負担を回避できること」などと挙げられている。このうち「市役所分館の仮移転費用不要」が唯一枚方市の財政に資する可能性があるものの、市役所第二分館は仮移転が必要であることや、枚方市には市有地内に庁舎建設が十分可能な土地面積があり、そこに新庁舎を建設する場合には、仮移転はそもそも発生しないものであるため、移転費用を市に求める根拠とはなりえない。

 また、枚方市による新庁舎等の整備案では、北河内府民センターの一部は住宅となっている。北河内府民センターを府が市に高値で売却し、市は民間に安値で売却するようなことになるのではないか、懸念する。

  加えて、北河内府民センターの近隣にはバリアフリー非対応であり、一部プレハブ庁舎を含むひらかた警察署があるが、今後必要である警察署の建て替え時に、府有地がなければ用地買収が必要となるため、府の財政負担が生じる可能性が高い。旧北河内府民センターの枚方市への売却方針から、ひらかた警察署への建て替え方針へ切り替えるべきと考える。

 

 

【賛成】令和7年度大阪府一般会計補正予算(第5号)の件

 

本補正予算は11月21日に閣議決定された、拡充された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の交付を受けたものである。そもそもが、「可能な限り年内での予算化に向けた検討」と言う、地方自治体の実務、議会での政策内容の検討の日程を考慮せず、国がスケジュールを設定していることに大きな問題がある。地方自治体に裁量のある交付金とするのであれば、その活用のための一定の時間が必要である。

10月中旬に新たな政権が発足したことにより、例年と比べさらにタイトなスケジュールとなったわけであるが、一方、吉村知事はこの政権の連立(と自称する閣外協力)政党の党首として参画されていることであるから、地方の実務に配慮した交付スケジュールを求めていただきたい。

今回の大阪府のメニューはこれまで実施したものであることは、限られた時間の中でやむを得ない一面はあるものの、これまで指摘してきた課題が十分に解決されていない。

たとえばこれまでも実施されてきた福祉施設職員へのギフトカード配布については、公立施設で働く福祉職員が除外されている。とりわけ、非常勤職員を含む会計年度任用職員の待遇は十分とは言えない中で、現場でご尽力いただいている職員に不公平感・不満感が生じることが懸念されるなど、指摘してきた課題が解決されていない。

また、大阪府独自のデジタルクーポンでこれまで4度に渡り実施されてきた子育て世代への食糧支援は、国の推奨メニューとしては全世代を対応としているところ、大阪府では22歳以下に限ることから、世代間の対立を生みかねず心配である。さらに今回は大阪府のデジタルクーポンシステムに府内基礎自治体が参画できる体制を構築するとのことだが、あまりにもタイトなスケジュールであり、市町村との十分な連携が取れているとは言い難い。

いずれにせよ、物価高騰に苦しむ府民に少しでも早く届ける必要があることから、本予算案には反対するものではないが、今後も同様の事態が繰り返されることが予測されるため、議会からの指摘は真摯に受け止められたい。

 

 

【反対】大阪府日本万国博覧会記念公園条例一部改正の件

 

プロポーザルによる10年の指定管理という異例の管理方法が取られた万博公園の入場料に関して、その残り期間が2年という段階での入場料の大幅な値上げ提案がされている。これに対し、経緯や根拠が不透明であり説明責任が果たされているとは言い難いという指摘があり、その点を考慮して少なくとも2年後の指定管理者の更新時期まで、値上げを遅らせるべきであるという修正案が提起された。

今回の値上げの理由とされているのが、昨今の急激な物価高騰や人件費の上昇である。しかし他の大阪府の指定管理者に対して同様の措置は取られておらず、また指定管理者と大阪府とのリスク分担表では、物価高騰への対応は、その是非はさておき、指定管理者の責務とされている。

指定管理者への物価高騰への対策について、大阪府の全庁的な取り組みがない中での、万博公園のみの特別な対応は、当該指定管理者と大阪府との関係を疑われかねない。課題を整理するためにも、一旦、現在の指定管理期間は値上げは行わないとする改正条例案については賛成、原案については反対である。

 

 

 

 

 

議会改革検討協議会について

 

大阪府議会では次期選挙における議員定数を含む府議会議員選挙のあり方について、議会改革検討協議会を開催し協議が行われてきた。協議会は、この12月に議会運営委員会に協議結果を取りまとめ報告するというスケジュールで開催されてきた。しかし、当会派を含む少数会派からは具体的な提案がなされた一方、最大会派である大阪維新の会からは総定数、生じている一票の較差、議員数と人口の逆転現象が生じている選挙区があること、1人区の選挙区が約7割におよんでいること等について、指針すら全く示されず本定例会を終えることとなった。

国会の議員定数の削減議論に対して大阪維新の会の代表でもある知事は「結論を出さずに終わる、こんな政治はまっぴらごめん」と発言するが、大阪府議会では結論どころか協議もまともに行えていない。過半数の議席を占有していることで、恣意的な定数削減や選挙区の変更を、自らに都合の良いタイミングで決するということができる様になっており、大きな問題である。

 

 

以上

 

 

 

大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団



 
 
 

最新記事

すべて表示
大阪府議会令和7年(2025年)11月定例会、11月28日採決の「中国の薛剣・駐大阪総領事の不適切なX投稿を非難し謝罪を求める決議」に対する民主ネット大阪府議会議員団態度と意見について

2025年11月28日
 民主ネット大阪府議会議員団
  代 表 山田けんた 幹事長 野々上 愛   大阪府議会令和7年(2025年)11月定例会、11月28日採決の 「中国の薛剣・駐大阪総領事の不適切なX投稿を非難し謝罪を求める決議」に対する 民主ネット大阪府議会議員団態度と意見について   去る11月8日付けの、薛剣・中華人民共和国駐大阪総領事のXでの投稿は、外交官としての品位を著しく欠くだけ

 
 
 
ご報告

日頃は野々上愛の活動にご理解を賜りまことにありがとうございます。 さて、私、野々上愛は、本年4月に行われた島本町議選において、党公認候補と無所属候補の応援をいたしました。 この行為について、立憲民主党大阪府連より党倫理規則に抵触するとして党員資格停止 1...

 
 
 
title1.png
bottom of page