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大阪府議会令和7年(2025年)9月定例会における民主ネット大阪府議会議員団採決態度について

更新日:11月28日

 

2025年10月20日

民主ネット大阪府議会議員団

 代 表 山田けんた

幹事長 野々上 愛

 

大阪府議会令和7年(2025年)9月定例会における

民主ネット大阪府議会議員団採決態度について

 

大阪府議会9月定例会が閉会した。

大阪府議会は、人口当たり議員数が日本一少ないことを改革が進んでいる、としてきたが、その裏で少数会派の討論が行われないなど、明らかに議会の機能が低下していることは明白である。

それぞれの議案の採決に際しては、本来であれば本会議での討論を通じて会派の態度を明らかにするところであるが、全国的に見ても極めて異例の、少数会派に討論を認めない大阪府議会の運営により、当会派は発言機会がない。よってここに声明を公表する。

 

 

 

【反対】委員会提出第1号決議案 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の成功について感謝の意を表す決議

 

 10月13日、半年に渡り開催された大阪・関西万博が閉幕した。本決議案は万博の成果を誇り、関係者への感謝を表すものである。しかし、開催決定から度重なる会場建設費の上振れや、関連事業も含めた膨大な支出についての総括も未だなされず、当初計画との整合など検証を行わなければならない多くの事案を傍に追いやり、手放しに“成功”を喜べる状況ではない。

 複数のパビリオンで確認されている建設費の不払い問題は解決の糸口が見えず、この後の撤去工事にも暗い影を落としている。また、会期末になり問題が顕在化した、料金は支払っているのに予約が取れないにいわゆる“死に券問題”も、博覧会協会としてどういった対応が行われるのか、未だ明らかにされていない。

 大阪府においては、開催地元として、最後まで責任ある態度が求められている。そのためには波及効果の厳格な評価や、不払い問題など解決に府が積極的なイニシアティヴを発揮することを求めることが重要であり、それらを直視しない決議には賛成出来ない。

 

 

【反対】議案第1号 令和7年度大阪府一般会計補正予算(第3号)の件

 

 補正予算第3号補正予算26,561千円のうち「万博後における大阪の継続的なにぎわいづくり」として3事業が計上された。この3事業は今年度予算としては160万円のみであるが、令和8(2026)年度から10(2029)年度にかけて、各年度およそ10億円の債務負担行為の設定を含み、宿泊税の活用が前提とされている。宿泊税の使途はこれまで当初予算でその取り組み内容や優先度等について議論がなされてきたが、今回補正予算にて多額の債務負担行為を行うことは、今後の柔軟な予算議論を制限することになる。

 近年は特に大阪市内においてオーバーツーリズムが明らかであり、混雑やゴミ、トイレ等の課題が露見している。地域住民との摩擦の軽減のために、取り組むべきことが多々ある中で、オーバーツーリズムを助長する事業に優先的に予算を割り当てることが適切ではなく、それだけ優先度の高い事業だとも考えられない。

 また、「ミャクミャクモニュメントの活用」として8,957千円が計上された。ミャクミャクモニュメントを吹田市内の万博記念公園に移設する費用である。70年万博と混ぜることへの違和感はともかく、万博記念公園は吉本興業ホールディングス株式会社を筆頭とする指定管理者が運営し、利益を上げることのできる体制となっているため、万博記念公園にミャクミャクモニュメントを設置する必然性が無いのであれば、指定管理者によりその費用を負担するべきである。

 先に触れた「万博後における大阪の継続的なにぎわいづくり」の予算においても、万博記念公園に対するソフト事業予算が組み込まれており、民間企業への投資になってしまっていないか、近年の物価高の中、各種無形文化の維持が難しくなっている中、丁寧な宿泊税の予算議論が必要である。

 

 

【賛成】議案第12号 動産買い入れの件(災害用組立式洋式水洗機能付きトイレ)

 

 昨年から3年をかけ府内市町村が展開する2300箇所の指定避難所に各1台の洋式水洗機能付きトイレを配備する計画の2ヵ年目、900台の購入、市町村への配備についてである。

 本施策は能登半島地震を機に避難所でのトイレ環境の改善が必要と感じた知事の指示により検討されたものであるという。施策実施にあたっては市町村の意見聴取をしたと言うが、しかし市町村により災害備蓄物資の配備状況は様々であり、大阪府が上から一律に資材を配備することが本当に必要か虚心坦懐に調整にあたる必要がある。現に市町村からも厳しい声が聞こえてきていることについて、昨年来、我が会派が指摘してきたところである。また、昨年度分は99%、本年度分は97%と高い落札率が続いていることも指摘したい。

 次年度で完了予定の事業である。災害への備えは欠かせないものであるが、市町村での備蓄が難しい場合は、府の広域防災拠点での配備を行うなど、実態に即した対応を求めるとともに、市町村との政策合意形成における大阪府の役割について再考されることを求める。

 

 

【反対】議案15、16号 公立大学法人大阪の定款の一部を変更する件、公立大学法人大阪に係る出資等に係る不要財産の納付について認可する件 

 

大阪公立大学の森之宮新キャンパス整備、学部・機能の集約等に伴い、羽曳野キャンパスが今秋以降は活用停止となる。キャンパス跡地活用については本年夏にマーケット・サウンディングを実施したが応募事業者はゼロであり、公金を投じて建設した高規格の建築物が築後わずか30年で除却、土地が大阪府へ返還されることとなる。

 大阪府はファシリティマネジメント基本方針を定め、府有施設の「更新時期を築後70年以上を目標とする」として、財政マネジメントを行っているが、これに反し、大阪公立大学は公立大学法人であるものの、府は森之宮キャンパスの建設に多大な公金を投じてまで、羽曳野キャンパスを放棄することには賛同できない。

 また、羽曳野キャンパスは大阪羽曳野医療センターに近接し、大阪公立大学の看護学部等が利用するキャンパスであり、志願者数も十分あった中での移転となる。さらに、羽曳野キャンパスが位置する羽曳野市内では本年、懐風館高校の募集停止案が出されており、市内から高等学校が皆無となることが予想される状況でもあり、この様に地域から教育資源を都市部に吸いあげる施策には地方分権に反することから賛同できない。

 

 

【反対】議案第19号 大阪府税条例一部改正の件

 

 法人事業税及び法人府民税所得税割に府独自に設定する超過税率を令和11(2029)年10月31日まで3年間延長するものである。現状、令和7(2025)年度では約502億円の超過税収が見込まれている。超過課税は経済界に負担を強いるものであり、商工会議所からも撤廃要求が出されている。

 税の徴収コストや経済活動への悪影響は最小限にすべきという立場から、超過課税の必要性について、本議会で説明を求めたところ、大阪府は課税趣旨として「道路網・鉄軌道などの都市基盤整備の推進や治水・防災対策の充実といった大都市圏特有の緊急かつ膨大な財政需要に対処するため」とし、主な事業として道路事業、交通対策事業等、河川砂防事業の令和7(2025)年度府負担額が約758億円と、多大な財政需要を超過課税の必要性として説明する。

 しかし、一般財源として支出するこれらの予算は約101億円に過ぎず、当該の事業に相当する基準財政需要額の151億円には満たない。さらに、基準財政需要額としては「その他の建設事業費」としても、この他に86億円が算定されている。基準財政需要額に対して税収が不足する場合は、地方交付税の交付措置がされるため、財源は十分あるはずであり、超過課税が必要だという説明にはなりえない。十分な説明責任が果たされない中で、少なくない税負担を強いることは経済活動の鈍化に繋がるため、条例改正には到底賛成できない。

 

 

 

議会改革検討協議会 定数問題について (別紙参照)

 

 府議会議員定数について検討されている議会改革検討協議会で、本日、当会派から別紙の通り定数区割り案を提案した。今回の検討協議会への少数会派のオブザーバー参加の経緯からして、本日、維新会派から定数削減案が提案されるものとして、当会派としても対案を準備したが、削減案が提案されなかった。

 

以上

 

大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団 

 
 
 

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