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大阪府議会令和5年(2023年)9月定例会における民主ネット大阪府議会議員団採決態度について


2023年10月20日 民主ネット大阪府議会議員団  代 表 野々上 愛 幹事長 山田けんた





大阪府議会令和5年(2023年)9月定例会における

民主ネット大阪府議会議員団採決態度について


 令和5年(2023年)9月定例会の諸議案に対する主だった採決態度、並びにその理由について、以下に説明する。本来であればこれらの主張は本会議の討論等を通じて行われるべきであるが、今期も少数会派からの要望に応えず、討論の機会が確保されないことは大変残念である。議会改革ナンバーワンを標榜する大阪府議会であろうとするのであれば、議会の本分である多様な意見を議論できる場を確保されたい。




【反対】議案1号 令和5年度(2023年度)大阪府一般会計補正予算(第3号)

提案された148億円7百万円の補正予算のうち140億1百万円は物価高騰緊急経済対策にかかる国庫支出金である。

今回補正予算のおよそ6割の86億9400万円を占めたのが、福祉施設職員等への2万円のギフトカード支給事業である。一方、今年の夏にかけ訪問介護事業者倒産件数が過去最多となった。一時的な現金(ですらなくギフトカード事業である)ばら撒きに終始するのではなく、介護現場の地力を支える予算が必要である。

また5億3151万5千円が奨学金返還支援制度の導入支援として計上されている。奨学金返還制度を導入した中小企業を対象に、30万円または50万円の支援金を支出するものである。奨学金は若年者労働者層にとって多大な負担となっており、府においては奨学金返還支援制度としての第一歩となるため評価する。しかし、他県では条件を満たす場合、最大1人250万円支援を受けられる制度や、奨学金返済支援に係る費用の100%補助を行う自治体もある一方、大阪府では実際に制度が活用される場合には、補助制度がないため、賃金からの転嫁に留まる可能性もある。今後の支援制度の拡充を求めるものである。



【賛成】議案9号 副首都推進局共同設置規約を変更する件、

並びに議案17号 大阪府組織条例一部改正 他 関連条例

大阪公立大学の所管を、大阪府市共同設置の副首都推進局へと移管する提案である。旧府立大学、旧市立大学が統合されたことから、その管理部門が一本化されることは適当であると考える。ただし、日本の科学研究の国際的なプレゼンスは長期的に凋落を続けており、多くの研究者がその原因として「過度な競争的環境と不安定な雇用」を挙げていることは留意する必要がある。大学の研究というのは一過性の政治的・経済的課題からは距離をおき、人類的視野を持って行われるべきものである。

今回の提案理由として示された「公立大学の取り組みを一層効果的に推進」する事は必要であろうが、「副首都化の推進に寄与」は果たして大阪公立大学の果たすべき役割なのか、慎重に取り扱う必要がある。大阪という一地方の政策目標のための道具として大学を利用するようなことのないように、注意が必要である。



【反対】議案15号 大阪府金融系外国企業等の集積の促進及び国際競争力の強化に係る事業計画の認定並びに法人の府民税及び事業制の課税の特例に関する条例

本条例では、大阪市域に新たに進出する金融系外国企業に対して地方法人税を免除することとしている。しかし、この条例によって何社の企業が大阪に拠点を構え、また何がどのように、どの程度の規模で大阪経済に貢献するのか、見通しも目標も示されておらず、討議のしようもない状態である。また今年からタックス・ヘイヴン対策としてOECDのBEPS枠組み(Inclusive Framework on Base erosion and profit shifting)が稼働し始める。税の免除で企業を誘致するのでなく、適切な課税をした上で、教育や治安、行政措置の迅速さと透明性を上げることで魅力的な環境を作るべきだという考え方が国際的な潮流になっており、大阪がそれに逆行することは好ましくない。大阪は41年連続して企業の転出超過が続き、ここ2年は200社を超える企業が転出している。外資への優遇ではなく、今大阪で頑張る企業に対して地道な支援を行うことが先決である。



【賛成】議案19号 大阪府宿泊条例一部改正の件

万博開催期間中、修学旅行で大阪府内に宿泊する場合に、宿泊税を免除する条例改正である。修学目的のために免税することには賛成である。しかし、修学を目的とする宿泊であれば、万博に限らず免税すべきであり、恒常的な政策とすることを求めるものである。



【反対】議案34号 二級河川佐野川耐震対策工事その2(東洋橋下流)に伴う内水による建物等の浸水に係る損害賠償請求事件の控訴の件

大阪府が河川護岸の耐震工事のため排水溝を遮断したため、台風で浸水損害が出た件についての損害賠償請求事件である。大阪府に約150万円の支払いを命じる一審判決が下った。

工事に際し地元泉佐野市と責任分界を協議・確認した文書が残されておらず、また8月と言う出水期に工事を行なっていたことなど、大阪府に瑕疵があることは認めざるを得ない。

いたずらに訴訟を長引かせ、原告に負担をかけることのないよう、また訴訟の延長による裁判費用で府民の負担を増やさないよう控訴は見送るべきである。



【反対】議員提出1号 大阪府議会議員の議員報酬の特例に関する条例一部改正

府議会議員報酬の「3割カット」が続いている。一部の会派が議員報酬の削減を選挙公約に掲げたことを理由に、時限的な報酬削減の提案を繰り返すのではなく、府議会議員の適正な報酬額については、議員の担うべき職務を基に、大阪府の財政状況を勘案しながら、報酬審議会等の外部機関を活用するなど適正な手順を踏まえ、十分な議論を全会派で行い決定すべきである。

また期間限定の、条例金額の月額3割カットでは、月額報酬はカットされるものの、期末手当は満額支給のまま据え置かれるなど、府民に十分のその実態が伝わらず、スタンドプレーの謗りを免れない。「改革のふり」はもうやめにして、あるべき府議会の機能、報酬の水準をしっかりと議論すべきであることを改めて主張するものである。



【反対】意見書1号 児童虐待対応等における体制強化の実現を求める意見書

児童虐待対策として児童福祉司増員等のための地方財政措置を国に求める意見書である。しかし、児童相談所による過剰な保護が散見され、長期間に渡り面会を制限するという実態が続発している。大阪府でも過剰保護が問題となっており、本年、高等裁判所から保護された子と親の面会・通信制限を行ったことは違法であるとの判決が下されている。

 本来であれば、傷害を伴う児童虐待は紛れもなく犯罪であるため、警察による調査や対応が必要である。一方、児童虐待防止法を根拠とした現在の親子分離措置は、近代法の推定無罪の原則から離れ、推定有罪で、一時保護、一時保護の延長、施設入所や里親委託、面会・通信の制限が罷り通る法体系となっている。先日埼玉県で、児童虐待の定義を広げる動きが見られたこと等も踏まえると、現在の法体系のまま児童相談所関係人材の増員を図ることは、いたずらに公権力の家庭介入を強め、必要性の曖昧な中の親子分離が進むことが懸念される。従って、人員の強化は必要であるものの、一刻も早い児童相談所権限を制限する法整備が必要であり、現在の児童相談所行政の状態での体制強化は認められない。



報告案件 基礎自治体の機能強化に関する調査特別委員会の中間報告

5月に設置された調査特別委員会の中間報告が行われた。半年足らずの期間に7回もの会議を開き中間報告を取りまとめられたことには敬意を表すものである。

一方で、我が会派は本特別委員会の設置議案については反対した経過がある。特別委員会の設置目的を「基礎自治体のあり方について、幅広く調査検討を行う」としているにもかかわらず、委員会への参画が交渉会派に限定され、多様な観点からの議論が保障されないと危惧したからである。委員会は当然公開の下行われたが、少数会派への資料提供の遅れなど大きな課題も見られた。

中間報告には「合併」の文字が踊る。日本の地方自治が補完性の原則を前提としていることから、大阪府の都合で基礎自治体に合併を押し付けるようなことは決してあってはならない。一方、「早期からの住民との情報共有」や「合併を進める際には住民投票を検討すべき」との参考人意見も紹介されている。大阪府議会としても、基礎自治体やそこに暮らす住民との情報共有を第一に、基礎自治機能の強化に向け府が果たすべき役割を虚心坦懐に検討すべきである。







私立高校無償化及び工業系高校の統廃合について

 私立高校への無償化制度の導入により、経常費助成額(令和5年(2023年)325,500円+令和8年(2023年)には2万円の増額予測)と無償化支援(63万円)の合計が97万円を超えると試算できる。これは、府立高校生一人当たりの所要経費65万円(R5現在)を30万円以上上回っており、公立高校より私立高校を過剰に優遇していると言わざるをえない。

一方、私学への財政支援は授業料等を63万円以下とすることが条件で、いわゆるキャップ制をとっているため、私立高校の中には従来の教育に要していた財源確保手段を制限されることとなる。これは私学振興助成法の「自主的にその財政基盤の強化」に抵触する可能性があり、一部私学からも批判が出ていたところである。

 知事は無償化制度への参加は自由と主張する。大阪府内の私立高校はその73%が授業料無償化条件の授業料等が63万円以下であるため、それらの学校は制度参加することに現時点では不利益が無い。一方、無償化制度に参画しない学校は相対的にかなり高額となることが必然であり、受験生からの敬遠が予想されるため、制度参加への強い圧力が働いており、決して無償化制度への参加は自由であるとは言えない。

 私たちは、授業料等の無償の保証は公立で行い、私立高校に対しては無償化を選択できる環境整備に止め、授業料等の設定の自由を私学に残し、私学の教育力の向上を妨げないことが肝要と考える。無償化制度の授業料等の上限規制は、一部私学の教育力を制限することに他ならず、到底賛同できるものではない。

 一方、大阪府はものづくりの街と言われる様に、府内産業の発展のためには、技術者の育成や人材供給が必要不可欠である。しかし、工業系高校卒業生就職希望者の内定率は100%であるが、約1万件の求人に応えることができておらず、大阪の産業の発展のためには、工業系高校での人材育成が急務である。しかし実態は、2012年から2022年にかけて大阪府内公立工業系高校の生徒数は38%減少しており、全国平均の19%減と比べても極端に減少している。大阪府の産業のためには、これを食い止める必要があるが、府は工業系高校の統廃合を進め、2025年度には生野工業、西野田工科、布施工科、城東工科の募集停止、2028年度には泉尾工業、東淀川工業で募集停止を行う方針である。学校数の減少は、工業系高校の生徒数減少に繋がると自然に予測されるため、大阪府の産業社会の発展にとって大きな痛手となる。

 工業系高校の規模の最適化(学校数の減少化)の方針を示した大阪府学校教育審議会工業部会の委員は、私立大学・高校を運営する委員や工業系高校から現在採用を行なっていない企業の委員等、利益相反や工業系高校が減少することに不利益がないと思われる委員等で構成されており、工業系高校再編整備のプロセスにも大いに問題があることも指摘したい。

 公立高校の地域偏在の是正や社会に求められる人材育成に責任を持って取り組むことこそが、府立学校運営者の責任であるが、それとは真逆の政策を行い、私立高校への過度な支援や制限を加えることは、到底看過できるものではなく、政治主導による教育政策の歪みに警鐘を鳴らしたい。


以上


大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団 

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