大阪府議会令和4年(2022年)5月定例会、6月9日採決における民主ネット大阪府議会議員団採決態度について

2022年6月9日

民主ネット大阪府議会議員団

代 表 野々上 愛

幹事長 山田けんた


大阪府議会令和4年(2022年)5月定例会、6月9日採決における

民主ネット大阪府議会議員団採決態度について


 大阪府議会令和4年(2022年)5月定例会の諸議案に対する、民主ネット大阪府議会議員団の主だった採決態度ならびにその理由について、以下に説明する。本来これら主張は、本会議場の討論を通じてなされるべきものであるが、大阪府議会では5名以上からなる交渉会派でなければ、事実上本会議場での発言権がないため、このような形での意見表明とならざるを得ない。特に今議会は、閉会日に複数の議員提出案件が提出されたが、委員会付託もなされず、これらに対する質疑の機会がなかったことは極めて遺憾である。



議案第14号議案 令和4年度一般会計補正予算 【賛成】

 国のコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」による補正予算である。長引くコロナ禍に加え、原油高騰、物価高騰への対応は喫緊の課題である。一方、新型コロナ対応地方創生臨時交付金の使途が、目的に合致した優先度の高いものに使われているかは、国会でも指摘がなされているところであり、大阪府でも、より緊急度の高い事業にあてられるよう精査の必要がある。

 今回の予算内容を見ると、公共交通事業者やトラック運送事業者への支援策として、タイヤ購入費などのメニューがあげられている。しかし事業者にとってより必要かつ、即効性の高い支援策は他にも考えられたのではないか、丁寧な議会審議があればなお良かったであろう。また子ども食堂における食の支援事業や、今回の補正予算では提案されなかった18歳以下の府民への1万円のギフトカード支給事業など、市町村との連携が必要な事業の実施にあたっては、事前の丁寧な調整を求める。



報告第2号 大阪府池田子ども家庭センターにおける児童の一事保護事案に係る損害賠償事件の控訴の専決処分の件 【反対】

 本件は、大阪府池田子ども家庭センターが行った一時保護について、一部対応に違法性があると大阪地方裁判所判決が出されたことに対し、府がこれを不服として大阪高等裁判所への控訴を専決処分した報告議案である。

 大阪府の控訴理由は、原判決理由に対して全く抗弁できておらず、控訴する合理性が認められない。

さらに、本事案前後に虐待の疑いが見られないことから、原告を支援こそすれど、控訴することは原告に大きな負担を強いることになり、原告の保護する児童にとっても望ましいとは到底考えられない。

 また、本控訴は、法解釈を巡る司法と行政の解釈の争いに過ぎず、本来は国会で法整備の必要性を検討すべき事案であり、子育て中の原告を巻き込み係争するべきことではない。

 今回の控訴そのものやその控訴理由、原裁判での大阪府の主張や態度を読み取るに、大阪府の児童福祉法への理解が全く感じられず、むしろ児童や保護者の人権や福祉を侵害し、司法を軽視するような態度が目に余る。

 今回、議会から見てもブラックボックス化している大阪府の一時保護事務について、原訴訟により大阪府の実態が明るみになった。また、承認審判を受けた2カ月間の一時保護期間は、施設入所承認申立により、新たな一時保護継続の承認審判を得ることなく一時保護を長期に継続できてしまうという制度的な問題も明らかとなった。

 原告やその子が不当な人権侵害に耐え、原告や弁護団が法や行政の瑕疵や不作為と闘っていただいたことに、謝意と敬意と感謝を申し上げたい。



議員提出議案第1号 大阪府ギャンブル等依存症対策推進条例制定の件 【反対】

 キャンブル等依存症対策の強化は喫緊の課題である。そして今、大阪で必要なのは、大阪にIRカジノを設置しようとしている状況を踏まえた対応であり、その前提に立っての依存症対策を講じる必要があるが、その視点が欠落した本条例案には賛成し難い。

 対策を講じるにあたっては、①国による対策、②IRカジノ設置地域における対策、③周辺自治体等との連携、の3つが有機的かつ補完的に機能するシステムの構築が不可欠である。

 とりわけ、大阪IRカジノ計画は、総入場者2000万人のうち7割を日本人と試算していることからすると、大阪だけでの対策では不十分と言わざるを得ず、国による対策が必要であることは言うまでもない。また、ギャンブル依存症当事者やその家族の意見を聴取するなど多様な意見を聞きながら、専門的な見地で立案する必要があると考える。

 仮に、今秋以降にIRカジノ設置が決定したとしても、開業まで7年以上ある。府議会においては、特別委員会の設置など、包括的かつ専門的な議論の上で対策案を策定する必要があると考える。

 ギャンブル等依存症対策を深めることは重要であり、より効果的な条例となるよう、閉会中審査の動議を提出したところであるが、否決されたことは残念である。議会最終日の提案、即日採決ではあまりにも議論が深まらず、パフォーマンスのそしりを免れない。大阪の現状分析からスタートした、地に足ついた議論と対策をもとめる。



議員提出議案第3号 大阪府議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 【反対】

 本件は、いわゆる常任委員会視察の予算廃止のための条例改正である。しかし、委員会視察は地方自治法第109条2項「常任委員会は、その部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、議案、請願等を審査する。」を法的根拠としており、その手続として大阪府議会会議規則72条(委員の派遣)が定められている。予算を廃止するということは当会議規則が実態としては無効となり、調査権が制限され、法第109条2項に抵触する懸念がある。例えば、他自治体における先進的な取り組みについて、常任委員会として調査し、様々な立場から府政への反映について議論する等の取り組みが制限されることになる。

各議員の政務調査費から支出させれば良いという意見があるようだが、常任委員会としての予算を、地方自治法100条14項を根拠とした予算(議員の政務活動費)から支出するということとなり、法論議としてもはや支離滅裂であり、論外と言わざるを得ない。

 また、大阪府条例第2号と同様に、グリーン車「自腹」条例改正が盛り込まれている。第2号議案については、本会派も消極的に賛成の態度を採ったが、従来二元代表制の一翼を担う議会の旅費に関する取り扱いは、これまで知事及び副知事の旅費規定を準用しバランスをとっていた。議会のみ待遇を低下させることは、知事及び副知事が議会より優越的な地位であると解釈されかねず、民主主義制度のバランスを損なう条例改正であることに警鐘を鳴らしたい。


 今議会提案の議員提出議案3本いずれもが議会閉会日に上程され、委員会付託をはじめ十分な議論や修正を検討することなく採決されたことは、極めて不適切であることを付言する。



以上



                    大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団  


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