2021年12月17日
民主ネット大阪府議会議員団
代 表 野々上 愛
幹事長 山田けんた
大阪府議会令和3年度(2021年度)9月定例会、12月17日採決にあたって
新型コロナウイルス感染症は、新たな変異株・オミクロン株が世界を席巻し、日本でも空港検疫で確認される例が相次いでいる。一方、市中での感染は全国的に抑えられている状況が続いている。医療体制に比較的余裕のある今だからこそ、オミクロン株の市中での流行や感染拡大第6波に備え、医療体制の構築や、保健所スタッフの拡充にあたらなければならない。また3回目のワクチン接種をスムーズに行うための体制構築も喫緊の課題である。
大阪府が今なすべきは、新型コロナウイルス感染症の根絶を目指し、またポストコロナ時代の社会のあり方を適切にとらえた、既定路線にとらわれない政策決定である。本来であれば、本会議討論により意見を表明すべきであるが、少数会派にはその機会が設けられていないため、主だった議案について本書面により意見を表明する。
【賛成】 第42号および64号議案 令和3年度大阪府一般会計補正予算(第8号)、
(第9号)
第8号補正予算12億4100万円中、大阪・関西万博の推進費用として、パビリオン建設にあたってのコンストラクションマネジメントに584万円を計上、債務負担行為として5300万円を設定している。12月に入り、万博・IR用地である夢洲の土壌汚染と液状化対応で負担増大の可能性が大いにある旨が報じられている。増大する市民負担額を早急に算定し、市民・府民に丁寧に説明することが求められる。理解を得られない、また増大する費用の算定が定かでない場合は、大阪府として会場の変更等についても大阪市とともに検討することが必要となってくるであろう。これらの状況に対応するには、大阪と兵庫のみでなく、近畿圏域での連携が必要である。大阪市、堺市とも歩調を合わせ、関西広域連合への積極的参加を大阪府としても取り組むべきである。
第9号補正では79億9300万円が、ワクチン検査パッケージ制度の活用等を目的とする無料検査事業として計上されている。ワクチン未接種者に対しての代替措置は不可欠なものであるため予算には賛成である。一方で、第7号補正予算で可決した予算の観光関連事業者への支援予算約70億円はすでにスタートしている大阪いらっしゃいキャンペーン実施のための予算だが、ワクチン接種がキャンペーン参加の条件であることが十分に伝わっているとは言い難く、今回の無料検査実施以前に大阪いらっしゃいキャンペーンが始まったたことは、ワクチン未接種者に対して不公平な制度となっており遺憾である。
【反対】 第65号議案 府立学校の職員の再任用のための選考における不合格の決定に関する損害賠償請求事件の上告受理の申し立ての件
府立高校教諭の再任用を拒否したことによる損害賠償請求等を求める裁判で、大阪府に315万4441円の損害賠償を行うことを求める高裁判決が確定したものである。2013年(平成25年)総務副大臣通知では地方公共団体において定年退職する職員が再任用を希望する場合は年金支給開始年齢に達するまでの再任用を求めており、今回の判決は副大臣通知に沿ったものである。
また、大阪府では99.9%を超える府立教諭の再任用の実態がある。大阪府教育庁の再任用選考要項によると、合否の判定基準の一つとして「従前の勤務実績」があげられている。同年、減給一ヶ月の懲戒処分を受けた教諭が再任用されているのに対し、より軽い戒告処分を受けたにとどまる当該教諭が再任用されないのは合理性に欠けると考える。
よって大阪府は上告をすべきではない。
以上
大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団
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