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【声明】大阪府議会での「特別区設置協定書について承認を求める件」議決を受け我々は改めて特別区設置協定書および住民投票に反対する

本日、大阪府議会8月臨時会で、特別区設置協定書の採決が行われ、賛成71(維新、公明、自民の一部)、反対15(民主、共産、自民から11名)で可決、承認されました。

私たち、民主ネット大阪府議会議員団は、この採決に反対の票を投じると共に、以下の声明を発表しました。



 

2020年8月28日

民主ネット大阪府議会議員団

代 表 野々上 愛

幹事長 山田けんた

【声明】大阪府議会での「特別区設置協定書について承認を求める件」議決を受け

我々は改めて特別区設置協定書および住民投票に反対する

 大阪府議会令和2年8月臨時会で、特別区設置協定書が賛成多数で可決された。この後、9月3日に大阪市会で協定書が可決されれば、11月1日に、二度目となる大阪市廃止分割を問う住民投票が行われることとなる。

 我々、民主ネット大阪府議会議員団は、2020年6月19日の会派声明で既に述べた通り、「大阪都構想」と称される大阪市廃止分割案について、効果がはっきりしない上に、初期コストが膨大であるにも関わらず、開始してしまえば後戻りが難しい、大変危険な計画であると考えている。その後、8月11日に発表された財政シミュレーション(更新版)でも、この懸念の解消には程遠い。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策が喫緊の課題であり、この先の経済・雇用情勢の見通しがつかない状況下で、1300億円もかかるとされる移行コストを要してまで、また府市の職員を大量投入して、住民投票や都構想を進める意義や正統性は全く見られない。

 加えて、今回の採決に至るまでの経緯が、とても民主的とは言い難いことが大きな問題であり、そのことについてここで強く抗議する。

 当然のことながら、民主国家における住民投票は、行政に対する単なる信任投票であってはならない。そのためには賛否に関わる情報が、投票に参加する住民に十分公平な形で伝わり、それをもとに議論し、熟考できるような形で行われなければならない。しかし、この間、そういった原則に反することが多々行われてきた。

 4月に予定されていた住民向けの出前法定協議会では、反対派は議論に参加して欲しくないという趣旨の松井一郎大阪市長の発言が報じられ、その出前法定協議会もCOVID-19を理由に、実施自体が見送られた。また先日、住民理解促進のための「意見交換」として、法的な位置づけのはっきりしない専門家による会議が行われたが、ここにも「賛成派」の専門家しか呼ばれていない。更に、報道によれば、都構想を解説した大阪市の広報紙について、広報の内容が公平性を欠くとの指摘を市の特別参与からも再三なされたにも関わらず、修正されなかったという。

 こう言ったことに意義を申し立てようにも、我々は、少数会派ということで本会議での議論の場から排除されている。採決に際しての反対討論の機会も与えられなかった。自民党会派は党内の意見の不統一を理由に、討論を放棄し、維新・公明の賛成討論のみで、この大きな議案が決されることとなった。

 賛成・反対の意見を併置し、そのメリット・デメリットについて吟味することは、議会制民主主義の根幹である。特に、大阪都構想は既に2015年に行われた住民投票において、投票者の過半数が「反対」に票を投じ、結論の出た問題である。にも関わらず、大阪府市は再度の都構想の推進のために、前回の多数を得た反対派の意見を巧妙に排除する形で、これまでの議論を進めてきた。

 こう言ったやり方で議決された住民投票に一切の正統性は認められない。我々は住民投票の実施そのものに反対をするが、住民投票を行うこととなったとしても、せめてCOVID-19対策が一段落し、住民が十分に議論を尽くせる環境になったのちに、賛成反対両面の意見を十分に反映させた公聴会、住民説明会と議会での討議を行った上で行うべきである。

 私たちは今後、政治的思惑が押しつけられた住民投票について、大阪市民の皆さんに議会では論じなれなかったデメリットを伝え、幅広い立場の市民や団体の力を結集した運動に尽力する所存である。市民の皆様にも、「都構想にNO」の声を上げていただけるよう、強く訴えたい。


 

《参考資料 6/19法定協議会での採決を受けての会派声明》


2020年6月19日

民主ネット大阪府議会議員団

代 表 野々上 愛

幹事長 山田けんた

大都市制度(特別区設置)協議会の採決を受けて

 本日、第35回大都市制度(特別区設置)協議会で特別区設置協定書案が、維新、公明、自民の一部の賛成多数で可決された。国との協議を経て、8月下旬から9月には大阪府市の議会で協定書案が採決され、11月には2度目となる住民投票が行われることになる。しかし、新型コロナウイルスにより大きな影響が出ている中、4月に予定されていた出前法定協議会は中止されたままであり、住民説明は十分に行われていない現状である。そこで大都市制度(特別区設置)協議会の採決結果を受け、以下、本会派の意見と態度を表明する。

【大阪府にとって不要の支出】

協議の結果を見ると、特別区設置による住民サービス低下を防ぐため、大阪府から追加的な財源として10年間年20億円、計200億円を支出することになっている。府の財源も余裕がない中、20億円は他の予算を削り捻出することになる。周辺自治体からすれば、吉村知事の言う所の「成長の果実」のために、大阪市以外の自治体は剪定を受け入れることに等しい。成長の果実が本当に実るかどうかも保証は無い一方、分かっているのは大阪府全体にとって200億円の損失が生じるということである。

【多大な初期費用と運用費用】

大阪市の再編にはリスクが伴う。自治体名住所の変更による街区表示の変更にはじまり、自治体分割による大幅なシステム改修、庁舎整備は必須であり、それらには大きな費用がかかる。さらに、自治体を分割し、類似業務を複数自治体で並行的に行う必要が生じるため、財政支出が増えるばかりか、そのための地方交付税についても不明確な状況である。都構想の華やかなイメージが空想であり、費用だけがかかる構造を生み出してしまった場合には、取り返しのつかないことになる。大阪の安定的な成長と発展を望む立場からは賛成できない。

【新型コロナウイルスの影響を無視】

現在、新型コロナウイルスの影響により、社会経済が先行き不透明な状況である。大阪市の再編には多大な費用と人員を要する。今は、未曾有の危機を乗り越えなければならない状況であり、他に大きな投資を行う意思決定を行える状況にない。財政や税収、経済が大きく変動する中、それらの状況を折り込むことなく、これまでの計画をそのまま、実行しようとするのは危険であり無謀である。少なくとも現在は新型コロナウィルス対策と経済の安定化に向け注力する時期である。

以上、民主ネット大阪府議会議員団としては、時節をわきまえない特別区設置の住民投票並びにその実現に対して、反対の立場を取り、府民に対しても真摯に訴えを続けていく所存である。

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