2024年6月14日民主ネット大阪府議会議員団
代 表 野々上 愛
幹事長 山田けんた
大阪府議会令和6年(2024年)6月定例会における
民主ネット大阪府議会議員団採決態度について
今定例会に示された議案については全て賛成とした。しかし、総合的に見て賛成であったとしても、細かい異論や提案など表明すべき意見は多々ある。本来であれば、本会議の討論を通じて行うべきであり、5月に新正副議長宛に、討論の機会を設けることなど3項目にわたる要望書を提出したが、残念ながら一切受け入れられなかった。よって、本書面において、我が会派の意見・態度について、以下の通り述べるものである。
【賛成】議案9号 大阪府立青少年海洋センターファミリー棟管理運営業務に関する損害賠償の額の決定及び和解の件
新型コロナ禍下の緊急事態宣言の影響による施設休館中に、新しく指定管理者となった事業者が施設の再開を断念、指定管理者の辞退に伴い再開に向けて要した費用についての請求の和解の案件である。
本施設は、指定管理者による利用料金制を採り、また大阪府からの委託料はなく、事業者収益の中から施設の維持管理費を捻出する方式が取られた。いわばゼロ円入札のような状態であった。それがコロナ禍による休館が長引き、築30年を超える施設の設備面の不具合が進行、結果、再開されることなく指定管理者の辞退となった。一方、再開に向けた事業者の取り組みに要した費用4,686,291円を大阪府が事業者に対して支払うものである。
新型コロナ禍により大きな影響を受けた、指定管理者制度を導入している府有施設への補填の方式は様々であり、これらの対応が公平・公正であったか、所管部課を超えた指定管理者制度全体としての総括が必要である。
また、委託料を払わないような収益性のみを期待する施設を府有施設として存続させるべきなのか、施設の必要性、また今回の施設のような社会教育目的施設にあっては、その意義を再定義する必要があるとも考える。
本議案には反対するものではないが、これを機にコロナ禍を経た指定管理者制度のあり方について、包括的な議論がなされることを求める。
・またしても取り下げとなった、ガザ地区での即時停戦を求める決議(案)について
本議会では当会派より「国際司法裁判所の要請に基づき、パレスチナ自治区ガザ地区ラファでの即時停戦を求める決議(案)」を示した。ガザ地区での即時停戦を求める決議案を示すのは、先の2月定例会に続いて2度目である。
パレスチナ、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃は子どもを含む多くの民間人に犠牲を強いている。ICJ(国際司法裁判所)は5月24日、イスラエルに対しガザ地区南部のラファでの戦闘を停止し、人道援助が可能になるようにすることを命じた。
日本政府も、5月27日に上川外相がイスラエルのカッツ外相との電話会談で、イスラエル政府が速やかにこの命令を履行するように求めた。
当会派は、大阪府議会もICJの命令をイスラエルが速やかに受け入れることを求める決議を行うことを提案したが、前回に続き、維新・公明・自民会派の反対により、本会議への上程すら行われなかった。
国連機関による正統な手続きに基づいた命令であり、日本政府もそれを支持していると言う状況下においてすら、大阪府議会では平和のための最低限の共通認識と、この認識に基づいた決議にも至れないという状況には、失望を禁じ得ない。
我々も、国際社会の責任ある一員として、また「恒久の平和を念願」する日本国民として、努力する義務があることを訴え続けたい。
・会派所属議員の一般質問より
1・「2025年日本国際博覧会児童・生徒招待事業」について
今般、府内の小中高1900校に対して、万博への遠足実施についての“参加意向調査”が行われた。しかし、この調査は解答が「希望する」と「未定・検討中」しかなく、また後者を選んだ場合には連絡が行くことが明記されていることなどから、強制的であるという反発が起こっていることが報道されている。
今回の混乱の根本的な原因は、本来学年行事として、学級、学年、学校管理職とボトムアップで作り上げていく遠足を、府からのトップダウンで現場の実情を顧みず、押し付ける形になっている点である。市町村教育委員会も十分にコミットできていない中で、事業者任せの学校とのやりとりが、混乱に拍車をかけたものと考える。児童・生徒の招待事業の実施主体の大阪府としての責任は大きい。
そこに来て、3月末の工事現場のガス爆発事故と、その後の後手後手の対応で、不安は不審につながっている。会期中のガスの安全対策は協会より6月中に示される予定だが、五月雨式に情報が提供される現状では、事故の全貌が明らかになったとは言えず、到底安全が確保されたとは言えない。事故情報の開示は当然のこと、学校現場からの疑問の声に対しては協会に情報公開を強く求めていくことなど、府の取り組むべき課題は山積である。
2・「知事囲み会見」とは何か
今年3月のいわゆる「知事囲み会見」で、吉村知事は大阪市役所前のミャクミャク・モニュメントが損壊された事案の犯人像について「万博反対派の可能性が高い」「一番高い可能性であることは間違いない」などの発言をした。
今回の発言は、
・犯人像を特定して言及した点
・それを公務である囲み取材で発言した点
・知事の発言は警察組織に対する捜査上の圧力になりかねない点
・万博の是非は政策論争であるべきであり、双方の対立を煽る扇動的手法である点
いずれをとっても不適切な発言であると考える。
一方、府は、知事の囲み取材は、報道機関の要請に基づき取材上の便宜を図るために設定しているものであり、府の見解だけでなく知事の個人的な考えや感想についても回答しているものと認識している、当該の発言はあくまでも可能性の一つとして説明しており不適切とのご指摘はあたらないと考える、と答弁した。
囲み取材の内容は府として責任を持って答えられる公式見解と、単なる「知事の個人的な考え」が混在し、「報道機関の要請に基づき、便宜のために」それらが区別なく示されている状態である、と言うのが大阪府の公式見解である、と言うことになる。
信頼ある府政情報の発信とは何か、再考されたい。
以上
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大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団
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