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大阪府議会令和8年(2026年)9月定例会における、民主ネット大阪府議会議員団の採決態度について

2 分前
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大阪府議会令和8年(2026年)9月定例会における、

民主ネット大阪府議会議員団の採決態度について


大阪府議会2026年9月定例会が閉会した。相次ぐ自然災害や、大阪公立大学も含めた相次ぐサイバー攻撃事象による深刻な情報セキュリティー危機など、今、政治に求められるのはアップデートされた危機管理対応である。そんな中、大阪府は住民の生命と財産を守る役割を的確に果たしているのか、大阪府議会として時宜を得た議論を行えているのか、問われているのは議会の議論の質である。定数削減や、果たして今、府民が求めているのか疑わしい副首都論議に時間、人材を割くのではなく、府民生活を支える府政こそ重要である。

本来であれば本会議での討論を通じそれら課題に向き合うべきであるが、全国的に見ても極めて異例の、少数会派に討論を認めない大阪府議会の運営により、少数会派には発言機会が確保されていない。

今後、より民主的で開かれた大阪府議会の審議のあり方をめざすためには、引き続き本会議での少数会派の発言について要望し、ここに声明を公表する。



 【賛成】議案第9号 動産買入れの件(災害用組立式洋式水洗機能付きトイレ)


 本議案は、災害用備蓄物資として、組立式洋式水洗機能付きトイレ900基を、税抜き2億9,610万円で購入するものである。

 私たちは、購入の進め方や運用、入札の競争性に課題があると考えている。一方、今回の質疑を通じて、府が実際の使用を通じて検証を行うとの答弁を得た。運用面でも府が責任を担う姿勢を示したことから、本議案には賛成する。その上で、以下の問題を指摘する。

 第一に、避難所を運営する現場や、それを支える市町村の意向が、十分に尊重されてきたのかという問題である。

 このトイレは、知事の発案により、府内の全避難所数に相当する2,300基を、3カ年で購入する計画として進められてきた。従来、災害用備蓄物資は、府と市町村の合意に基づき、双方が1対1の割合で備蓄する計画であった。しかし、今回のトイレについては、優先的に備蓄したいものとは仕様が異なるとの声が市町村から上がり、別の種類のトイレを選択した自治体もある。

 府が特定の仕様にこだわって一律に購入するのではなく、市町村が地域の実情に合ったトイレを選べるよう、購入費を補助する方法も検討すべきだったと考える。

 第二に、災害時に実際に使えるようにするための準備が、十分ではないという問題である。

 このトイレは、設置時に組み立てが必要であり、水洗用の水も確保しなければならない。排泄物の処理についても、マンホールに接続するかどうか設置場所に応じた判断が必要である。貯留できるのは約400回分で、それを超えて使用するには、バキュームカーによる汲み取りが欠かせない。汲み取りが間に合わない場合には、使用を中止する判断と、代替トイレの確保も求められる。

 つまり、トイレを購入し、備蓄するだけでは使えない。水の確保、組み立て、汲み取り、使用中止時の対応まで、一連の運用計画と訓練が必要である。

 また、2,300基のうち約4割は、府の広域防災拠点に備蓄される。市町村の備蓄を補うものなのか、発災後に府が避難所へ届ける後方支援用のものなのか、役割や運用が十分に整理されているとは言えない。保管場所だけでなく、誰が、いつ、どこへ運び、誰が設置・管理するのかまで、府と市町村で明確にしておく必要がある。

 これまで府は、実際の使用による検証を行わないまま、運用を市町村や地域の自主防災組織に委ねようとしていた。今回の質疑では、「知事が参加するイベントにおいて、参加者等に実際に使用していただく中で、検証を行っていく」との答弁を得た。この検証を実効性のあるものとし、明らかになった課題と改善策を市町村に共有することを引き続き求めていく。

 第三に、入札の競争性についてである。

 3カ年の入札結果を確認したところ、3年連続で同一業者が落札していた。また、落札業者の応札単価は年々上昇し、他の参加業者の応札単価も、前年度の落札単価を大きく上回っていた。

 これらの結果だけで不正があったと断定するものではない。しかし、十分な競争が働いていたのか、仕様や調達方法に改善の余地がなかったのか、府には検証と説明が求められる。

 災害対応を担うのは現場である。避難所を運営する地域の自主防災組織と、それを支える市町村が、実際に使える備えでなければ意味がない。

 府は、現場の意向を最大限に尊重し、財政支援や情報提供、実証・訓練への支援を通じて、その取組を支えるべきである。知事の発案を形にすることが目的となり、購入した物資が災害時に役立たないと言うような事態を招かないよう、現場を起点とした災害対策への転換を求める。



【反対】議案16号 公立大学法人大阪の定款の一部を変更する件、

および 議案17号 公立大学法人大阪に係る不要財産の納付について認可する件


 寝屋川の地で長年、大阪の製造業を支える技術人材を輩出してきた大阪公立大高専の、堺市へ移転に関する議案である。

 ものづくりの町大阪において、人材育成の重要性はいうまでもない。現在、北河内地域には工業系高校が一つもない。その一方で、世界的な大企業から技術を誇る下請け企業まで、ものづくりの裾野が広く広がっており、ここに優秀な若い力を供給し続けてきた高専に対する地元の評価は、極めて高い。昨年度の卒業生に占める北河内在住者は36%だったが、今年度の入学者に占める同地域在住者の割合は19%台である。技術人材の育成という原点を見つめ直せば、むしろ今行うべきは縮小移転ではなく、機能の拡大こそが時代の要請である。地域から拠点を完全に無くすのではなく、分校などの形で地元に残すべきであると、我が会派は提案を重ねてきたところである。

 公立大なかもずキャンパスに移転し、大学との教育連携が深まることは一定評価できるものであるが、一方で昨今、全国の高専が「単なる大学予備校になっているのではないか」という声もあり、中等・高等教育のグランドデザイン、そして大阪の産業・経済にとって必要な人材をいかに育成するか、という観点こそ重要であり、単純な移転ではなく、より多角的に将来展望について検討されるべきであった。

 加えて、移転後の土地活用が未だに定まっていないことも、地元の大きな不安を生んでいる。現状での移転には反対であるが、百歩譲って跡地が生じるのであれば、そこは必ず、次の世代のための「教育目的」に限定して活用することを強く求める。



【賛成】請願36号 不当な差別的言動の解消及び府民の人権と尊厳を守る取組の推進を求める件


 本請願は、泉南市議会議員の添田詩織氏が、請願者の氏名や顔写真、出自や親族に関する情報をSNSに投稿した事案を契機として、不当な差別的言動への対策の強化を求めるものである。 

請願者が起こした民事訴訟では、添田氏の投稿による名誉毀損、プライバシー権及び肖像権の侵害が認められた。また、投稿が第三者による攻撃を誘発する危険や、請願者に与えた不安と恐怖も認められた。一方、投稿自体の人種差別性や、添田氏に人種差別の目的があったことまでは認定されなかった。

法務省は、ヘイトスピーチの代表的な類型として「排除の扇動」「危害の告知」「著しい侮蔑」を示している。しかし、露骨な差別表現を使わなくても、個人の出自などを特定の文脈でさらすことにより、差別や攻撃を誘発するおそれがある。こうした言動から、府民の人権と尊厳をいかに守るかが問われている。

請願者は、差別の認定や被害の救済に課題があること、ヘイトスピーチ解消法や府の関係条例の実効性を高める必要があることを訴えている。とりわけ、議員や候補者が差別意識をあおることで支持を得ようとするような政治のあり方に、強い問題意識を示している。本会派もこの問題意識を共有し、会派を代表して山田健太が紹介議員となり、本請願に賛成した。

残念ながら、本請願は不採択となった。表現の自由は民主主義の基盤である。同時に、差別によって個人の尊厳や平穏な生活が脅かされることも看過できない。本会派は、双方の権利を守るための制度や運用のあり方について、国政での議論を求めるとともに、府における差別解消と被害救済の取組の充実を引き続き求めていく。



                                    以上


大阪府議会 民主ネット大阪府議会議員団

 
 
 

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