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水はどこへ行くー大阪の水道統合問題について

昨日5月24日の大阪市議会本会議で大阪広域水道企業団と大阪市水道局との水道事業統合案が否決されました。

大阪都構想の先鞭を付ける事業として注目されていた大阪の水問題。この1年、ののうえ愛は大阪広域水道企業団の議員として水道統合の議論の最前線に加わって来ました。

そもそも大阪の水道統合って何?

高槻をはじめ、大阪府内の殆どの自治体は、淀川の水を浄水したものを水道水として使っています。

淀川沿いには大阪府の浄水施設と大阪市の浄水施設が隣接してあり、浄水(水道水)の供給能力が余っている状況にあります。これを指して大阪府と大阪市の無駄な二重行政の象徴として、当時の橋下知事が大阪府市の水道の統合を強力に主張し始めました。 民営化にはちょっと待った!が42市町村の意思 老朽化した浄水施設を整理統合するのは確かに時代の要請ですが、ここで当時の橋下知事が打ち出した案が大阪府営水を大阪市水道局に吸収統合すると言うトンデモ案でした。これまで広域行政として大阪府が議論して来た大阪府内の水道を大阪市が議論し決定する、高槻に置き換えて考えてみると、高槻市の水道料金を大阪市民が選んだ大阪市議会が決定する、という何とも珍妙な仕組みが提案されたのです。 これに大阪市以外の市町村は一斉に反発。その中で誕生したのが大阪市を除く大阪府内の全42市町村で構成する大阪広域水道企業団です。この企業団は大阪府営水道が廃止されその資産を全て引き継ぐ形で発足しました。地方自治法に基づき設置された企業団には、一般行政組織と同じく議会が設置され、企業団に参加する各自治体から企業団議会へ議員が派遣されます。 立場を変えた橋下氏が再び府域一水道を主張 その後、大阪市長となった橋下氏が、知事時代になし得なかった大阪府域一水道を、今度は大阪市が水道企業団に参加する事により目指します。 府営水が、浄水施設や管路等の全ての水道資産を無償譲渡する事により水道企業団は誕生しました。それに習い今回大阪市が水道企業団に参加する時も当然大阪市水道局の資産を企業団に無償譲渡する事を条件に議論が進められて来ました。ところが橋下市長の足下の大阪市議会でこの事が、大阪市の利益にならないと理解されず、今回の大阪市議会での否決に至ったのです。 水ビジネスの指すもの 今、国でも「水ビジネス」と言う言葉がもてはやされています。大阪市は世界の水ビジネスへ打って出る事を目剤て要ると言われています。大阪市は事業統合がなされずとも、市単体で水ビジネスに積極的だと伝えられています。 しかし私達の税金で運営される水道事業がリスクも高い“ビジネス”にあたる事は大きな違和感があります。またビジネスの舞台となりうるのは第三世界の国々です。日本の高い水道技術を提供する事は必要ですが、これらの国々においても、地域住民の命を担う水道事業はあくまで当該地域の政府が責任を持って行い、日本の役割は技術や運用面での側面支援にとどめるべきでしょう。そこで金儲けが出来るようであればその国の市民に対して不公正なものである可能性が高いのです。自治体が安易に手を染めていいものではありません。 高槻の水は 水は自然の営みに大きく左右されるものです。高槻市では7割が企業団から来る淀川の水、3割が高槻市内の井戸の水を活用しています。水道が広域化され水源から遠ざかったところで議論がされているようでは、将来に向けた水資源の保全も危ぶまれます。地域で循環する水資源を保全して行く為にも、水道事業の広域化には慎重であるべきと考えます。

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