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「方向3:多様性」

執筆者の写真: nonoueainonoueai

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当たり前とされていることほど、気づいたり変化させたりするのが難しいものです。たとえば性別についての当たり前。「男は男らしく女は女らしく」「生まれつきの性別」「男は女を、女は男を好きになる」などは本当に「当たり前」なのでしょうか。  例えば男「らしさ」や女「らしさ」を考えてみて下さい。「人は『男/女らしさ』を備えて生まれてくるのではなく、成長する過程で社会の中で文化的に身に付けるものだ」という考え方が特に20世紀以降、医学や心理学の発達を背景に広まりました。「男/女」という千年来の「当たり前」への問題提起。そのキーワードがジェンダーです。ジェンダーは「文化的・社会的な性」などと訳され、政治や日常の場でも使われる概念です。そしてここ数年は新しい「ジェンダー」の問題もクローズアップされています。           *   20世紀以降の日本では、女性が投票権を得た戦後の普通選挙や、男女雇用機会均等法、そして男女共同参画基本法として「男女平等」に社会的な保障がなされてきました。とはいえ私たちの社会には、戸籍上の性別(生まれた時の性別)に違和感を覚え、異なった性で社会生活を営む性同一性障害・トランスジェンダーと呼ばれる人々がいます。彼らは、外見上の性別と公的書類等の性別が異なるため、日常生活においてさまざまな不具合や苦痛を生じています。           *  高槻市ではののうえ愛をきっかけに、市役所の申請書類から不必要な性別記載事項の削除が実現しました。性同一性障害特例法(性同一障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律)が施行されるといった社会的背景があったこの時期、多様な性のあり方を前提にした社会のシステム作りが必要だと考えたからです。  ジェンダーやセクシュアリティといった問題は、私たちの常識からすれば「ズレ」を感じるテーマかもしれません。けれど、「私たち」とは、いったい誰を指すのでしょう…。無自覚に「全ての人」だと思ってきましたが、「そうじゃないよ、私たちはあなたたちと同じじゃないよ」という声が、ささやかですが確実に聞こえてくる。政治はそうした小さな声に耳を傾け、拾い上げる仕事でもあるのです。

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